依然、出口の見えない不況のどんぞこにある北海道において、経済活性化の切り札として期待される観光をテーマににした、第三回「札幌圏市長サミット」が二八日午後、札幌グランドホテルで読売新聞主催、札幌テレビ後援で開かれた。
パネリストとして、桂信雄・札幌市長、新谷昌明・小樽市長、小川公人・江別市長、黒氏博実・恵庭市長、本禄哲英・北広島市長と田岡克介・石狩市助役が出席し、コーディネイタは北海道未来総合研究所所長で北星学園大学経済学部教授の原勲氏が務めた。
サミットでは冒頭、読売新聞北海道支社支社長・久谷与四郎氏が「観光は北海道再生への大きな突破口となるのではないか。活発な議論を期待します」と挨拶した。そのあと、原勲氏がコーディネイトし、市長がそれぞれ、自分の市の観光における現状報告、さらには今後の方針などについて語った。
桂信雄・札幌市長は、「全国に向けて札幌に何を期待するかというアンケートをとったところ、観光が23パーセントで1位、2位が自然、3位が教育・文化と圧倒的に観光に対する期待度が高い」ことをあげ観光に対してもっと積極的に対応すべきであることを強調。「YOSAKOIソーランのようにその土地特有のイベントを作り継続させることが観光振興の起爆剤になる」と巧みなイベント作りが観光需要を創出することを語った。
新谷昌明・小樽市長は、「小樽への観光は通過型で宿泊は訪問客のうちの1割程度である」と前置きを述べたうえで、「しかし、観光客は10年前の約倍以上になり、歴史的建造物や街並みに焦点を絞った観光対策が成功している」と述べた。その一方で、築港ヤードに大型ホテルや複合映画館、商業施設を開業する再開発事業を紹介。減り続ける小樽の人口にストップをかけたいと力説した。
小川公人・江別市長は、「江別のイメージは石狩川と野幌原生林という2大自然に抱かれた街であり、江別の地場産業であるレンガと連携して街の知名度をあげたい」と述べ、「将来は看板や標識を焼き物で統一したり、焼き物と食文化を結び付けたりしたい」と観光戦略への意気込みをのぞかせた。
黒氏博実・恵庭市長は紅葉の名所「恵庭渓谷」などの自然環境の魅力について述べた後、札幌大通り公園の花壇の7割が恵庭産であるとし「花のまちづくり」を推し進めていくことを説明。事実、雑誌に掲載されたことで本州からの観光客が増えていると付け加えた。
本禄哲英・北広島市長は、北広島は3つの大きな大会が開かれる国内有数のゴルフ場である、外国人宿泊客の拠点となっている、札幌・千歳両方面への交通の利便性が高いことをアピールし、一般的な観光という概念に捕らわれないその土地への集客能力について語った。また「札幌の豊平川河川敷から北広島駅までの大規模自転車道路を建設中である」と発表し、「日本一の自転車道路にしたい」と力を込めた。
斉藤英二・石狩市長の代理で出席した田岡克介助役は、昨年オープンした「石狩番屋の湯」が大盛況であること、さらにホテルも着工中であることを報告。そして石狩の発祥地・本町地区に江戸末期から明治初期の街並みを再現する「弁天歴史通」の計画を紹介した。
各市とも地域の特色、歴史性を活かした魅力ある街づくりが観光の振興につながると強調していたのが印象的であった。確かに魅力的な街づくりによって地域住民が喜びを覚え活気を持つことが新しい観光振興策の原動力となる。またこのサミットのテーマでもある「広域連携による観光振興」についてだが、ますます多様化する観光ニーズ、リピート客の確保という点から考えれば、一つの自治体で全てをカバーするのは無理だ。それゆえに各自治体が独自性を持ちながら連携して魅力ある観光圏づくりをしていくのが今後の北海道観光のカギとなることは間違いないだろう。
文責:キラリネット編集部
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