農村の青年よ立ち上がれ2

カンパニー・タオ代表
佐藤拓也
(札幌在住)


 以前、農村の若者よ立ち上がれという題で北海道再生計画で「農村の後継者問題」について文章を書いた。第一次産業を取り巻く環境は依然厳しく、米国からの輸入米の価格がさらに引き下げられるなど暗い話題が先行している。一時期グローバルスタンダードという言葉のもとに国際競争力のないものは価値のないものだというレッテルが貼られ、日本の農業などはもう必要ないという極端な意見まで出たような気がするが、果たしてそうなのだろうか?
私はそうではないような気がする。事実アメリカのヘッジファンドが破綻し、アジアから始まった金融の世界的危機はそのようなアングロサクソン流の弱肉強食の世界に限界があることを物語っていたのではないだろうか?
 とまあこういう話は専門家の先生たちに任せるとして、それ以上に問題(と私が感じる)なのは日本の自給率が下がることによって、日本の危機管理、あるいは安全保障にとってネックとなるのではないかということだ。先日もあやしい北朝鮮?のものと思われる2船の船籍が日本の領海を侵犯し自衛隊が急遽出動するという事態があった。雑誌などでも米国が北朝鮮を空爆するのではないかなどの記事が取り上げられ、極東アジアの周辺がきな臭い雰囲気になってきている。
 さらにインターネットをやっている皆さんならご存じだと思うが、2000年問題(Year 2KからY2K問題とも言う)が現実のものとなりつつある。コンピュータの多くは年数表示を二桁で行っているため、2000年になった瞬間、1900年と勘違いして誤作動を始めるというものだ。これまではコンピュータのプログラムのみを修正すれば済むと言われてきたが、埋め込みチップの問題があり、このチップは多くのシステムや機器に埋め込まれこれをすべて交換するのは不可能ということが判明した。これは自動車にも平均25個のチップが埋め込まれているというから自動車ですら止まってしまうかも知れない。しかし自動車ぐらいで済むなら良いが、へたをすれば原油のタンカー、食料を輸入する船籍ですら停止してしまうかも知れないのだ。
 こういうことを書くとみなさんビックリするかも知れないが、日本はすべての流通がうまくいっているから存在できる国であり(まあ、他の国もそうなんだろうけど)、そのどれかがコケた瞬間、崩壊しかねない微妙なバランスの上に成り立つ国なのだ。そのようなことを自覚せずに米国の安全保障の庇護のもと安穏としていたのでは国の将来はもう見えたようなものだ。だからこそ私たちは自分の国の未来のこと、危機管理のこと、安全保障のことなどを真剣に考えなくてはならない。(ちょっと小林よしのり風になってきて、やだなぁ)
 ということで前置きが長くなったが、私が言いたいことは日本の農業、また日本の食糧基地と言われて久しい北海道の農業を、危機管理面から、その価値を見直すべきだということである。そして今の第一次産業軽視の国の政策を見直さなくてはならない。なぜなら食料供給というライフラインがストップした瞬間、孤島にすむ私たち日本人は故障したエレベータの中に置き去りにされたような境遇に見舞われるのであるから。もしそのようなことが実際に起きれば、日本国は再び敗戦の憂き目にさらされるであろう。そのことを国民がもっと自覚し、国が主導して農業を中心とする第一次産業にもっとテコ入れすべきである?(ちょっとドグマ的になってもうしわけない。)
 簡単にマクロ的な観点から日本、北海道の農業のについて語ってみたが、ミクロ的な観点、個人が農業とどう関わるべきかについてちょっと考えてみたい。「農村の若者よ立ち上がれ」でも書いたが、いかんせん、農業のイメージが悪い。暗い、汚い、きついという3K(ふるい!)イメージがつきまとっている。しかし、はたして本当にそうなのだろうか? 今や喧騒な都会を捨て、本来の人間性を取り戻すべく脱サラをして農業と真っ向から向かい合う青年が少なくない。そこには土や家畜また自然の雄大さとふれあうことによって、本来の人間が持つおおらかさややさしさ、本然の人間性を取り戻すことができる素晴らしさがある。このまえもインターネットで知り合った、脱サラをして農家をしている青年に、「脱サラをして農業に取りくむなんて、大変でしょう?」と問いかけたところ、「農業は収入面で不安定さが改善されれば、言うことはありませんね! ただ今現在サラリーマンに戻る気はさらさらありません。」という答えが返ってきました。この電子メールでの返答を読んだときに私はそのことをつくづく実感しました。農業って本当に良いかも知れませんよ! みなさん。
 先日、読売新聞に面白い記事が載っていた。あのタレントの田中義剛さんが「カントリー娘」なるアイドルグループを作って世に売り出そうとしているのである。そのキャッチコピーが面白い。「これは、今までとはまったく違うアイドルだ。まず畑作りが出来て、乗馬、チーズ作り、ガーデニングとすべてが出来るアイドル。要するにアイドルでダメになっても「つぶしがきく」ユニット。いいでしょう。」というのだ。3月中に3人選んで、4月からは厳しい牧場実習に入っていくそうだ。コレはいい! これが当たれば農業のイメージはガラリと変わるかも知れない。
 若者たちに農業の良さを伝えるためには、マスメディアをうまく使うのが一番の近道だ。カワイイ女性アイドルやカッコいい男性タレントが農業に汗を流し、涙を流しながら農業の素晴らしさを訴えれば、かならず農業をやりたいという者が出てくるだろうし、「おら、親父の後なんかつ継がね。」とのたまう若者たちも心変わりするかも知れない。どこかでこういう企画で番組つくらだろうか。ウリナリ(バラエティ番組)あたりでこういうのやったら本当にいけるような気がする。北海道も「試される大地」で田中義剛さんと組むとかして農業のイメージアップに真剣に取り組むべきではないだろうか?
 個人的には今回のカレの企画はなんとか成功して欲しいと願っている。


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