農村の青年よ立ち上がれ3

カンパニー・タオ代表
佐藤拓也
(札幌在住)


 以前、私見ながら北海道農業の問題、特に後継者問題について書いた。素人の目(私の目)から見れば、北海道の農業については「規制緩和や農業の国際自由化はもう避けて通れないのだから、自由化が実現されたとしても生き残れるだけの体力を北海道のみならず日本の農業が身につけるべきではないだろうか」と強く感じる。またその為には、農業を一つの事業と捉え、採算がとれるような経営体質に変えなければならないし、法人化や大規模化を推進していくべきだろう。こんなことを言うと、事情に通じている人であればあるほど、「素人のくせになに言っているんだ」と感じるかも知れない。しかし私なりに、関心を持って、新聞やニュースなどを見ていると、私の言っていることもあながち間違いではないなと感じるようになってきた。
 6月頃、読売新聞で“農を拓く”をテーマに企画ものを綴ったことがあった。そこには北海道の農業が現状を打破するために取り組んでいる様々な試みが取り上げられていた。そこで関心を持ったのはプロミスやオムロンなどの異業種の大資本が北海道の農業に参入しはじめていること、そして十勝平野では若い世代の農家が利益追求に積極的に取り組み様々なアイデアを農業経営に盛り込んでいることだ。
 例えば十勝支庁鹿追町の西上経営組合は、観光農園「にしかみ」を経営し、そこでは高原イチゴの食べ放題やレストラン、そばうち体験、トラクターの体験運転、農産物の加工・販売などを一手に行っている。その組合長である高橋さんは次のように話すのだ。「ソバを例にすると、収穫して出すだけなら一俵15,000円、製粉加工すると33,000円、それをここで一杯150円のかけソバにして売れば、300杯として165,000円にもなるんです。」さらに「今や農業は一次産業ではなく、二次、そしてサービス部門の三次産業をプラスした六次産業なんです。自らが企業家として足腰の強い農業をすることが、地域を北海道を守ることにつながるんです。」と言い切る。
 私はこの言葉を聞いて、「本当にそのとおりだ」と感じる。ただ単に農作物を作っていればよいと言う農業の時代は終わったのではないだろうか? 現に帯広近郊では農業をコスト計算や利益率で冷静に見据える世代が農家の中心になってきているのだ。そして彼らには嫁不足や後継者不足も実感として無いという。これまでの概念や型にとらわれず、農業を一つのビジネスとして捉えなおす時、農業に新しい展望が開けてくるのではないかと感じる。そして農業も他のビジネスと変わらないのだ。だから大資本による大規模農業による薄利多売もあれば、小さい規模の一芸的農業もあるだろう。他では得ることのできない匠の農業があっても良い。多種多様な経営スタイルが現れてくるとき、農業も新しいビジネスとして生まれ変わるのだと思う。
 この前、キラリネットのテナントになってくださった「幻の米・ユキヒカリ」を作っている農家の方から「インターネットで販売を始めたらすごく反響があってビックリしている」旨のメールがあった。冷涼な北海道の気候を利用した低農薬・無農薬作物は安全で健康にもとても良いらしく、北海道ブランドのイメージにもなってきているそうだ。こんな時代だからこそまたチャンスもあるのだろう。

p.s.田中義剛さんの企画したカントリー娘の柳原尋美さんが交通事故で亡くなられました。ご冥福をお祈りします。


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