北海道雑感と展望

ライフ・カーネル代表
高橋一男
(札幌在住)


○北海道の概要

- 面積が広いのでいくつかの分けかたがある

1) 行政面

  道内には行政の細分化として、14の支庁がある。手元に北海道の地図があればそれを眺めてほしい。

  • 石狩支庁:札幌を中心とする地域。ここには北海道の総人口570万余りのうち、約4割が住んでいる。
  • 空知支庁:岩見沢、滝川といった地域。北海道でも有数の米どころである。
  • 上川支庁:旭川をはじめとする内陸地域の大半。北は名寄、南は富良野付近までが上川支庁である。
  • 後志(しりべし)支庁:小樽、ニセコといった地域。農業・漁:業が盛んなところである。
  • 胆振(いぶり)支庁:室蘭、苫小牧といった地域。北海道唯一の工業地帯。
  • 日高支庁:静内、浦河、えりも岬といった地域。競走馬で有名。
  • 渡島支庁:函館、八雲、長万部といった渡島半島の太平洋地域。
  • 桧山支庁:渡島半島の日本海側。江差、瀬棚といった地域。
  • 留萌支庁:北海道の北側の日本海沿岸地域。留萌、羽幌、天売・焼尻島など。
  • 宗谷支庁:北海道の最北端。稚内、利尻、礼文など。
  • 網走支庁:北海道のオホーツク海沿岸。紋別、網走、知床半島の西半分など。
  • 十勝支庁:北海道で一番面積が広い支庁。帯広、足寄、広尾など。
  • 釧路支庁:十勝支庁と根室支庁の挟まれた太平洋岸。釧路、屈斜路湖など。
  • 根室支庁:北海道で一番東端のところ。北方領土もこの支庁の管轄。
  • 2)一般には....(これがすべてではないです)

  • 道南(どうなん):おおよそ渡島・桧山・胆振・日高地区を指す。
  • 道央(どうおう): 札幌、小樽と後志支庁、千歳、苫小牧、岩見沢、滝川までを指す。
  • 道北(どうほく):旭川、留萌、から北側を指す。
  • 道東(どうとう):網走、十勝、釧路、根室各支庁を指す。
  • ○各地区で異なった問題がある

    - 道南地区

    ここは、中心都市が函館である。函館は土地が高く、中核都市として成立しにくく、周囲の町村を編入してきたものの、人口は30万を切ってやや中途半端になっている。
     函館周辺は、人的な交流は多いものの、特に札幌との経済的結びつきは弱く、道内の他地区とは異なるものがある。函館周辺の人に特有なのが、函館が「文化の標準」だと思っていること。これが道内の他地区の経済交流を妨げる方向に働き、産業の衰退を招いている。
     この地区の日本海側である、江差、瀬棚といった地域は古くからニシン漁で栄えた。しかし、現在は魚が採れないので、地場産業は衰退気味で過疎問題とからんで問題は複雑である。

    - 道央地区

     全道人口の4割を抱える地域である。そのうち、中心都市の札幌の人口は、180万人。3人に1人は札幌市民であるという集中度である。
     他地区に比べ、通信・交通・産業といったインフラが整備されている面、北海道内では突出している地域である。札幌への人口集中は、他地区の過疎を招き、全国に名を知られる都市でありながら、老年人口の増加は著しい。
     札幌は住みやすい都市か?という問いに Yes と答える人は多いが、地下鉄には階段が多いなど、顕在している問題は多い。

    - 道北地区

     旭川などの都市部を除き、もっともインフラ整備が遅れている。道路の整備・通信関連のサービス・鉄道の高速化などはやっと手がついたばかりである。
     この地区は目立った産業があまりない。不景気の影響をもっとも大きく受けていると思われる地区である。
     旭川の人口は36万人。長らく北海道第3の都市であったが、函館を抜いて北海道で第2の都市である。インフラ整備は札幌とそれほど差は大きくない。
     しかし、旭川はどちらかというと、札幌志向であり、地元との経済的な結びつきは弱いほうだといえる。
     危機感を抱いてるのが最北端の稚内である。サハリンとの交易を盛んにしないと生き残れないところまできているという。

    - 道東地区

     一番北海道らしい地域である。古くから、国策でインフラ整備されてきたため、道北地区ほどの遅れはない。この地区は、網走・十勝・釧路・根室とあるが、交流はそれほど盛んだとは言えない。札幌志向である。
     ここは道都が西に偏っている分、交通アクセス問題が大きい。この地区から札幌に行くには必ず、峠を越えないといけない。毎年冬の峠での死亡事故は絶えず、鉄道の高速化と共に、高速道路を札幌と接続してほしいという要望が切実である。

    ○なぜ札幌なのか

    - 支庁には行政権限がない

     北海道には広い行政面積をカバーするために、14の支庁を設けている。本庁はもちろん札幌である。なにか支庁の管轄地域内で行政対応しようとしても、支庁の人間が本庁のある札幌まで手続きやら、陳情やらをしないといけないというのである。網走で大雨が降って被害が大きくて、道庁として対応しようとしても、被害のない札幌でなんでもなかったのだから、「たいしたことを大袈裟に言うな」なんて例もあるそうだ。(これは比喩です)旭川の分県運動はこういう部分が背景の一つにあるといえよう。

    - 仕事は札幌に集まる

     北海道の開拓は、農業・漁業・林業といった自然相手の一次産業である。しかし、50年余りで産業構造は変化し、重工業が主役となってしまった。ここで、安価な輸入物に押された一次産業は撤退していくしかなく、2次産業、3次産業の発達しているところに仕事が集まる結果となる。

    −でも実態は支店経済

     本州企業の北海道進出の足ががりは、まずは札幌である。北海道人による北海道人の企業は札幌進出で満足してしまう。本州企業も札幌進出に成功したら、それで満足である。
     これでは、本州企業が撤退したら、北海道はとたんに暮らせない場所になりかねない事を意味する。北海道資本は全体として赤字なので、北海道内部で生き残る策は公的資金でも無いと不可能である。

    ○だから

    - 支庁に行政権限を

    地域の活性化、産業の新たな発展のきっかけになりうる。

    - 農業・漁業・林業の大々的な振興を

    日本の農業技術は世界に誇れるもの。北海道の農場は実験の繰り返しで発展してきたともいえるであろう。特に気候の冷涼な網走で農業を普及させ、実質的な稲作の北限であることは評価できるのではないだろうか。

    - 交通・通信のインフラ整備をもっと早く

    インターネットが普及すれば、現在仕方なく札幌などに住んでいる人がUターンし、インターネットを通して仕事ができる様になる。東京の一部の企業では社員にノートパソコンを持たせて、仕事をこなしてる状態もあるのだから、可能な業種から徐々に実用化したらよい。


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