道南地区GIS普及セミナー
平成13年8月1日
テーマ:「「国及び国土地理院が取り組むGISの最新動向」
〜電子国土を目指して〜

講 師:国土地理院企画部地理情報システム推進室普及指導係長 折笠 幸平氏

本日は「国及び国土地理院が取り組むGISの最新動向」ということで、昨年こちらでお話した内容から若干新しく変わっているところがございますので、そういったお話と、また今回、国の新たな電子政府の中で、国土地理院として、どのようなことを行っていけば良いのかということがございます。電子政府の中にあります、一つの位置付けとしまして、「電子国土」というものを国土地理院に位置付けました。その中のお話を若干させて頂きます。

 話の内容としては、まず、GIS関係省庁連絡会のお話、次に、GIS普及にむけて国及び国土地理院がどのようなことをしているか、最後に、電子国土についてお話させて頂きたいと思います。

 現在までの経緯

 まず、現在までの経緯ということで、お浚いさせて頂きます。GIS関係省庁連絡会議が旧省庁23省庁ありますが、1995年に出来ました。今は113省庁ということで、内閣官房が主宰になりまして、国土地理院と国土計画局(旧国土庁)が同じ国土交通省のなかで事務局を務めております。そのなかで1996年に長期計画を立てました。そこで、まず基盤形成期というものを1996年から98年度までに作りました。実際に、この基盤形成期のなかで「国土空間データ基盤標準及び整備計画」を決定したのですけれども、GISを進めるに当ってどんな問題点があるのかとか、あるいはGISを行うために基盤となるようなデータをどのように整備して行くかというような話し合いを、この3年間で行っております。次に、普及期が99年から2001年まで設けられました。こちらの方は、基盤形成期で策定された、GISに役立てられるデータをどんどん作って行きましょうということで設けられました。そして、その中での標準及び整備計画というものがございます。これは、普及期末までに空間データ基盤のひととおりの全国整備を行いましょうということがございます。国土地理院等では、後程ご紹介しますが、数値2,500ですとか25,000といったものを整備しております。また、道路や基準点といった国家的データを順々に整備して行くということになっております。それに伴って、各省庁も実際に実施計画を作って、自分の省庁で持っているデータを、どんどん電子化してデジタル化して行くことによって、基盤となるデータを作るということを明確化して行きましょうということになっております。

 普及期における現在までの取り組みと今後

 113省庁ありますが、かなりGISについて予算が付いているのですけれども、しかし中々その整備が上手く行っていないというのが現状でございます。普及期が過ぎたところで、まだ半分位の省庁でしか整備計画の計画が立っていないということであります。そういったことも踏まえながら、現在行っておりますが、今度は民間側から政府の取り組みに対していろいろな要望が出て来ております。その要望の中で、民間がやる役割りと、国がやる役割りを分担して決めて行きましょうということで、国はどこまで、どういうことをやるのかということを明確化して行くことを決めた「申し合わせ」というものがございます。これは昨年(2000106日)に出来ました。詳しいことは、http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2000/1006.htmでご覧頂ければと思います。

 申し合わせの内容

1. 地理情報の電子化

 今日は、その申し合わせの中でのお話を若干させて頂きたいと思います。まず、地理情報を電子化して行こうということです。いろいろな国で国が保有している情報といったものを、どんどん電子化して行くことによって、実際にGISで使えるデータに変えて行こうということになっております。そして普及期末(2001年度末)には主要データ項目について、特に重要と思われる道路ですとか基準点といったものを電子化することになっております。まず、一つは道路と住所のデータ整備に重点を置いています。その他に、河川や鉄道や居住地についても、どんどん整備して行くことになっております。国土地理院では、そのなかで数値地図2500(都市計画区域)を平成12年度に整備完了しました。函館地区につきましても、先ほど話があったかと思うのですが、整備を完了して、刊行も終ったということになっております。ですから、北海道地区につきましては、数値2500については昨年度(平成12年度)整備を完了して、今年度(平成13年度)刊行が終りました。ですから全道、数値2500が揃っているということになっております。次に数値地図25000なのですが、こちらも概ね同じような道路や鉄道といったことをGISで使えるべく、骨格的なデータなのですけれども、平成13年度に作成を終えることになっております。予定では平成13年度中に、ほぼ完了する予定になっていて、目処もついております。次に、住所のデータ整備目標というのがあります。こちらは街区レベルの住所データですが、こちらも都市計画区域ということで、これは国土計画局の方でやっていることですけれども、やはり平成13年度中に行いましょうということになっております。平成12年度から実際に行っておりますので、一部の地域についてはインターネットで情報を見ることが出来ます。(http://nlftchiefp.mlit.go.jp/ksj/

申し合わせの内容

2. 地理情報の提供

 こういうものを作ったときに、今度はどのように提供していくかということが考えられます。今まではCDやフロッピーディスクという普及の仕方が多かったと思うのですけれども、これからは情報社会の発達と共に、インターネットによる提供をどんどんして行きましょうということを掲げております。特に主要となるデータについて、申し合わせの中で明記されております。まず、一番最初に申しました、街区レベルの住所データについては、国土計画局の方で、平成12年度に提供を開始しております。また、国土数値情報は、同じように平成12年度に公開しております。数値地図2500についても、これは国土地理院の方で平成13年度の秋か年度末くらいには徐々に公開して行こうと考えております。数値地図25000の方は、同じように平成14年度を目処に公開して行こうということになっております。CD-ROMでも数値地図25000を刊行することになっておりまして、こちらは10月くらいを目処に第一回目を刊行することになっております。最初はCD-ROMになるのですが、平成14年度くらいからは、インターネットで公開する予定です。

 現在インターネット提供されているデータ

 実際にインターネットでどのような形で地理情報を提供するかということについて、今年度、モデル地区実証実験等も行っております。そして、申し合わせ等により、現在インターネット提供されているデータですが、国土地理院としては、「数値地図25000地図画像・基準点成果データ・点の記」(http://www.gsi.go.jp/SERVICE/index.htmi)などを載せております。また、国土計画局の方では、国土数値情報(http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)や、街区レベル位置参照情報(一部地域)(http://nlftp.mlit.go.jp/cgi-bin/ksj/dls/_area_view.cgi)について公開しております。国土計画局の方では、今、データのダウンロードしかしていないのですけれども、なかなかダウンロードだけではテキストデータになってしまって、使えないということがありますので、検索のためのビューワなども考えているようであります。また、財務省の方では、これは既に出ていたものですからご存知の方もおられるかも知れませんが、国有財産の情報公開システム(国有財産一件別情報)(http://www.kokuyuzaisan.go.jp/kokuyu/pc/IKKEN/KYTOPSRC.cfm)があります。後、総務省からは、統計データ(国勢調査データ)(http://www.sinfonica.or.jp/)のCD-ROM提供をしております。これにつきましては、各県と小学校などに無償で配られています。総務省に問い合わせているなかでは、普通の市町村レベルや大学高校あるいは各種学校などでも、申請をして頂ければ、このCD-ROMを頂けることになっておりますので、総務省の方へ問い合わせて頂ければと思います。

 申し合わせの内容

3. メタデータ・クリアリングハウス

 次に、3つ目ですが、メタデータやクリアリングハウスについて、どのように整備して行くかという話になります。地理院の方へアクセスして頂くと、いつでも誰でも何処でも、地理情報を簡単に入手できる仕組みを作って来ました。これがクリアリングハウスです。それから、基盤的な地理情報のなかでメタデータを、地理情報標準に基づいて普及期末までに各省庁で整備して行くことになっております。現在は、総務省、経済産業省、環境省、国土交通省の4省庁になっております。残りの省庁も今一生懸命やっております。国土地理院は、地理情報保有の省庁にクリアリングハウスのノード整備を行って頂くための、技術的支援を行っております。技術的な支援を行いながら、各省庁がクリアリングハウス・ノードを整備して行くことによって、国土地理院のクリアリングハウス・ゲートウェイに登録して頂いて、これによって国土地理院にアクセスするだけで、どこの機関がどんな情報を持っているかということがわかって、直ぐに欲しい情報を得ることが出来る仕組みになっております。現在は2省庁(経済産業省、国土交通省)しかないのですが、どんどん増えていく予定です。これは、どのような仕組みになっているかというと、例えばヤフーなどですと、一つのサイトでしか検索できないのですが、こういうシステムを作ることによって、例えば国土地理院のゲートウェイに登録してあるものについては、たくさんの検索エンジンを一斉に検索することが出来るということになります。実際に平成133月に運用を開始しております。これも国土地理院のホームページから見ることが出来ます。機会がありましたら、検索して見て頂ければと思います。

 申し合わせの内容

4. 技術的な課題

 申し合わせのなかで、技術的な課題というのが残っております。旧6省庁、現在は統合されて3省庁(国土交通省、経済産業省、総務省)が連携して、特性を活かして技術開発を行っています。特にGISの整備・普及について、普及期中に成果が得られるようにして行きましょうということになっております。まずGISについて、一つ目には地理情報の標準化。それから、プロトコルの開発、データの圧縮方法、基準点のリアルタイム化、あるいは3次元データ等のGISについて行っていきましょうということがあります。それらについて、各地方、7府県(静岡、岐阜、大阪、高知、福岡、大分、沖縄)ですが、モデル地区実証実験において、新しい技術の検証を行っております。

 技術的な課題の普及期中の成果として、まずインターネット関連としましては、GISのデータを、どのような形でウエイブ上で交換して行くかということを考えて、G-XMLというのがあります。これは経済産業省の方で行っている取り組みです。また、空中写真は基より、衛星画像、3次元データなど、かなり大きなデータが、これからGISのなかであるだろうということで、大容量データの転送の検証も行っております。これは旧郵政省で行っております。また、インターネットによる相互利用の実証実験も行われております。国土地理院としましては、電子基準点のリアルタイム化などの実証実験を、平成13年度中に行っております。また、そのなかで地理情報を標準化して行きましょうということで、地理情報のJIS化を平成12年度から始めております。

 地理情報標準

 標準が決まることによって得られるものは何か、あるいは従来型と比べて見ると、従来は紙地図だったのが、デジタル化された地図になって、まず、紙地図では人間が理解するための地理情報であったものが、GISになるとコンピュータが理解しなければならない。また、人間が理解できるように地図のためのルール(図式)が必要だったのが、今度はコンピュータが理解できるようなルール作りが必要になって来た。ですから、記載される地理情報の種類、内容といったものが、コード化の仕方や構造の記述に変わって来たり、線の太さや記号の種類といったものが、カタログの仕方や描画の仕方といったものに変わって来るということになります。そういった意味では、実際にIT分野の手法のなかで標準化されて、地理情報標準というものが生まれて来るのですけれども、実際のデータの流通が上手く行くということになります。

 国内の地理情報標準作成の取り組み

 先ほどから地理情報の標準という話をしているのですけれども、それはどのようなものなのかということなのですが、ISOという国際標準機構があります。そちらの方で1994年から国際的に地理情報を世界のなかで共通して使って行きましょうということで、日本も同じようにISOが発足して以来、国内の地理情報の標準に関する委員会を作りまして、実際に取り組んでいるところです。国土地理院では、地理情報の標準をするために、民間企業との共同研究によって、「地理情報標準」といったものを作成いたしました。それが19993月です。実際に地理情報を皆さんが共有して行くための仕組みについて書いたマニュアルです。これが、GIS関係省庁連絡会議のなかの「国土空間データ基盤標準及び整備計画」の「技術的な標準」になっています。ですから、地理情報を作る場合、あるいはそれを交換する場合、この標準を見ながら使って行きましょうということになっております。その内容につきましては、かなりページ数が多いのですけれども、http://www.gsi.go.jp/REPORT/GIS-ISO/gisindex.htmlでご覧頂けます。これからなるべく分かりやすく、どんどんこうしたセミナーのなかでお話して行きたいと考えております。

 地理情報標準の役割

 地理情標準の役割とはどんなものかということですが、例えば今まで実際にいろいろなGISを使っている市町村、あるいは民間もそうかと思いますが、いろいろなシステムのなかで、いろいろなアプリケーションが違いますので、データを交換するのに大変なことがたくさんあったと思います。例えばAのシステムからBのシステムにデータを交換するには、一つの何かプログラムを作ってデータを交換しておかなければならないとか、今度はAのシステムからDのシステムへ変換するときにも、また同じようなプログラムを作らなければならない。ですから、4つのシステムがあれば1つのシステムに対して3つのプログラムを作らなければならないということがあったかと思います。同じ職場内で、個々の部署で使っているデータの交換というのがなかなか出来ない。あるいは同じようなデータを使っているのだけれども、そのシステムデータが欲しくても、なかなかこちらのシステムで使えないので、新たに又作ってしまうという重複的なGISの作り方をして来たと思います。こういったことを無くして行こうというのが地理情報標準の役割になっております。実際には、どういったことになるかと言いますと、一つの交換的な標準の仕方でデータ形式を決めてしまいましょうということになります。交換のためのデータ形式です。完全なフォーマットを決めるということではなくて、交換のための仕組みを決めて行きましょうということになります。そうすることによって、1回の交換のみで、各システムを全部使って行くことが出来ることになります。例えば交換システムを使って、この標準のデータにしてしまいましたよといっても、同じシステム内で利用することには全然問題なくて、新しいデータについても問題ありません。それから、個々のシステムは今まで通りに動いています。地理情報標準に準拠した数値地図25000(空間データ基盤)はhttp://www.gsi.go.jp/SERVICE/vector/vecindex.htmでご覧頂けます。

 今後の地理情報標準運用イメージ

 今後の運用イメージを地理情報標準運用文庫に例えますと、地理情報標準の棚がありまして、それを基にして、例えば総務省などがお使いになっている統合型GISがあったり、国土交通省で作った都市計画のためのガイドライン、道路の指針、また国土地理院の方でも、民間の活用のためのガイドラインの指針といったものを作っております。その指針案を作るための一つの基になるものになります。

 申し合わせの内容

5. 民間データ活用と品質評価

次に、民間データ活用と品質評価というものがあります。今までは国で使っていたものが多いのですけれども、民間で作成されたデータの品質評価をしながら、民間データを行政でどのように利用して行くかということがあります。また、それらの評価に当って、評価のためのガイドラインを平成12年度に国土地理院の方で作りました。また、それらを見ながら、関係省庁が自分のところで持っている法定に定められた地図の品質について、必要に応じて平成13年度中に点検して、それらが使える形にして行きましょうということが、申し合わせの内容として出ています。

公共測量における民間地図データの活用 ガイドライン作成

 国土地理院では平成128月に「民間測量成果の公共測量への活用に関する検討委員会」を設置しました。東京大学の柴崎教授が座長になっておりまして、その中で、どのような形で民間データを使って行くかということを考えております。そして、「地図データの品質とその評価に関する指針(案)」を作成しております。活用の評価の仕方ですが、民間で作っている空中写真、人口衛星画像等いろいろあるかと思います。それらを品質評価法に基づいて品質評価をしながら、実際に行政で使って行くということになります。同じように、法令で定められているような地図の点検も行っていくことになっています。

 今後の取り組み

 それらを受けまして、今後の取り組みとしては、GIS関係省庁連絡会議のなかで申し合わせたものを実行して行くということになります。また、民間との連携ということで、基盤地図データ整備、あるいは民間データ活用の指針を12年度中にとりまとめましたので、そういったものをどんどん使って行きましょう。あるいはクリアリングハウスを今は国だけで行っていますが、官民連携で行っていきましょうということがあります。次に、地方公共団体への支援があります。今、総務省による統合型GIS整備への地方交付税の財政措置というのがあります。GISで使うデジタルデータを作るためのお金を半分、地方交付税として軽減しましょうということです。これは7月に総務省の方から、各地方自治体の方へ連絡が行っているかと思います。ですから、まだ連絡が回って来ていないということがあれば、関係部署へ問い合わせて頂ければと思います。実際に統合型ですので、例えば都市計画と固定資産ですとか、2つ以上のシステムを作るための基盤となるデジタルデータを作るために掛かる費用の半分くらいを地方交付税で援助しましょうということになります。後、モデル地区実証実験の支援というものを行っております。

 電子国土とは

 時間がありませんので、ここからは簡単にお話させて頂きたいと思います。まず、電子国土とは何かと申しますと、現実の世界の地理情報をコンピュータのなかに置き換えて、仮想的な世界を作って行きましょうと。あたかも、コンピュータのなかに現実の世界があるように作っていきましょうというのが、電子国土になります。これを作ることによって、例えば災害が起きた時に、いろいろな情報をリアルタイムに更新することによって、コンピュータ上でシミュレーションを行って対応することが出来る、ということが発想となっております。そして、21世紀の情報化社会のニーズに対して、いろいろなデータ内容も多様化されておりますので、その多様化された地図情報をどのように流通させて行くか。また、多様になった地図情報を、新たな地理情報関連産業へ、どのように結びつけて行って、新しい産業を創出して行くかということがあります。また、その他に国土の管理等にも使われて行くことになります。実際には、IT社会の基盤システムと言えるものにして行きましょうというのが電子国土の発想であります。

 電子国土の提案

 電子国土は、国土地理院の政策懇談会というものがありまして、そちらで決められたものです。平成116月から平成1212月まで6回行われております。こういうものを行うに当っては、位置情報がますます重要であるということと、地理情報を共有する仕組みを作っていかなければならない、あるいは国土の変化を常時取り込む仕組みを作りましょうとか、分散データベースや情報インフラを作って行きましょうということがあります。

 政府の情報化施策と電子国土

 実際に、政府のe-japanIT戦略のなかに組み込まれた一つの手法と考えて頂ければと思います。IT革命のなかで、日本はハードウェイやアプリケーション等は世界の最先端を行っていると言われているのですが、インターネットやITビジネスについてはアメリカや、アジアのなかでも遅れているということがあります。それを解消して行きましょうということで、電子政府、e-japanを作って行く。5年以内に世界最先端のIT国家を作って行こうというのが目標であります。重点政策分野としては、(1)超高速ネットワークインフラ整備、(2)電子商取引と新たな環境整備、(3)電子政府の実現、(4)人材育成の強化。そのなかで国土交通省の政策目標としまして、自立した個人の生き生きしとした暮らしの実現、競争力のある経済社会の維持・発展、安全の確保、美しく良好な環境の保全と創造といったことがあります。

 電子国土の意義

 次に、電子国土の意義ということで、一つ目は情報の共有化ということがあります。従来は、紙やCDやフロッピーといった形で配られていた電子情報ですが、インターネットやネットワーク技術を利用して配信して行きましょうということですので、電子国土を探せば欲しい情報が直ぐ入手できるという形になります。また、地理情報の自由な利用ということがあります。ネットワークを使うことによって、いつでも何処でも誰でも自由に地理情報を利用することが出来る。また、その入手した地理情報を基に、第3者が新たな地理情報を作ることが出来るということになります。それを行うことによって、新たな産業も創出して行きましょうと。そこで大事なのは、安全で安心して使える地理情報を流通させて行くということです。ですから、品質の確保やセキュリティーの問題を充分に行っていくということになります。

 電子国土の構成要素

 構成要素としては、3つ上げられます。まず、地理情報ですが、国土地理院などで行っている基本測量等の成果、あるいは公共測量の成果になります。今、民間のデータもありますので、そういうものをどんどん使って行こうという形になっております。また、フィールド調査への整備や情報の付与ですとか、今行われております電子申請やCALS/EC等のデータを取り込むことによって、一つの地理情報として取りまとめて行くということになります。次に、アプリケーション機能ということがあります。やはり実際にデータを配信するために、クリアリングハウス機能、ウェブマッピング機能というものが必要になって来ますし、それを活用するためのアプリケーション機能が必要になって来ます。バーチャルリアリティ表現機能や、各種シミュレーション機能、ここでこんなことが起こったら、このような状態になるので、それをシミュレーションして対策を練って行くというようなことになります。それらを利用するにはルールが必要になって来て、誰でも何処でも安心して電子国土に参加できる環境を作って行きましょうということになります。誰もが利用できる環境整備や、データの相互運用性の確保、セキュリティの確保といったことが必要になって来ます。

 国土地理院の役割

 そのなかで国土地理院の役割としましては、電子国土コアシステムの整備、運用ということが必要になって来ると思います。また、電子国土の基盤となる地理情報の整備及び更新、また、地理情報を整備して促進するための位置情報システムの整備、運用。実際にそれらを配信したり検索するようなシステムの運用、これらについては、今、国だけで行っていますけれども、民間と一緒に行って行くようなもの。また、公共測量、民間測量等の成果の活用といったことが必要になって来ると思います。

 電子国土実現に向けた取り組み

 これからの電子国土実現に向けた取り組みということで、測地成果2000を来年度(平成14年度)から導入するということがございます。また、VRSという新しい技術、これは、あたかも電子基準点が自分の近くにあるような、仮想的な電子基準点を使って、簡単に測量が出来るような仕組みです。あるいは各種の地理情報を統合するために必要な基盤的地理情報の整備、更新を行ったり、国土地理院ならではの地殻変動などをリアルタイムに入手しながら、あるいは写真や衛星画像といったものを利用して、防災の対策等への運用手法の検討を行っていく。そして、それらについてインターネットによる地理情報提供の検討を行うということが、今後の取り組みになっております。